緩速ろ過/生物浄化法セミナーオンライン連続講座2020/第2回「小規模水道のつくり方  海外編」開催報告 | 特定非営利活動法人 地域水道支援センター

特定非営利活動法人 地域水道支援センター

緩速ろ過/生物浄化法セミナーオンライン連続講座2020/第2回「小規模水道のつくり方 海外編」開催報告

恒例となっている緩速ろ過/生物浄化法セミナーを、今年度はオンラインで開催しました。海外編の開催概要は(こちら)をご覧ください。

<開催趣旨>

水道が普及していない地域、水道事業の適正規模への縮小において、「小規模水道」の考え方や技術が必要です。 

 世界の7億8500万人の人が、安全な水が身近になく、川、湖、整備されていない井戸などから水を得ています。 

 そして、この状況は気候変動によってさらに悪化すると予測されています。これまで使用していた水源が枯渇し、水くみの時間がより長くなるケースも考えられます。そのために働く時間、学校に行く時間がなくなり、より深刻な貧困に陥ります。洪水によって水源が排泄物によって汚染され病気につながったり、海面の上昇で地下水が塩水化することも考えられます。 

 こうした国や地域に持続可能な給水設備を普及させることが急務です。ただし、貧しい村落でも使い続けられるようにローコストであること、日頃のメンテナンスが容易であることが重要です。 

 SDGsで水といえば目標6ですが、「貧困をなくす」(目標1)には水が必要ですし、食糧(目標2)も健康(目標3)も水がベースになります。給水設備ができれば、子供たちは水くみの仕事から開放され、教育の質向上(目標4)にもつながります。 

 特定非営利活動法人地域水道支援センター(CWSC)は、2006年、地域の小さな水道を支援すること、自然に備わった原理を活かす緩速ろ過(生物浄化法)を研究し、広めることなどを通して社会に貢献することを目的に設立、活動してきました。このたび活動の中から得た「小規模水道」の考え方や技術、実施例を書籍『小規模水道のつくり方 SDGsへの道』にまとめました。 

 これを記念し「小規模水道のつくり方」をテーマに「国内編」と「海外編」の2回に分け、オンラインセミナーを開催しました。 

「海外編」では、サモア、フィジー、中国、アフリカ諸国における小規模水道設置の実例について、それらに携わった専門家、研究者、コンサルタントがそれぞれの経験と知見を参加者と共有しました。その後、参加者のみなさんと質疑応答を行いました。さまざまな視点からのご質問、ご意見をいただき、活発な議論が行われました。

 <第1部 レクチャー>

  「中国の村々を救う小さな「飲用水生物浄化装置」大塚健司(NPO法人地域水道支援センター会員。 日本貿易振興機構アジア経済研究所主任研究員。博士(環境学)。 主著に『中国水環境問題の協働解決論― ガバナンスのダイナミズムへの視座』(晃洋書房)、『 中国太湖流域の水環境ガバナンス― 対話と協働による再生に向けて』、『流域ガバナンス―中国・ 日本の課題と国際協力の展望』(以上編著、アジア経済研究所) など。)

大塚氏発表資料より1

大塚氏発表資料より2

「大洋州の島しょ国が「安全な飲み水」へと動く サモアとフィジー」中本信忠
(NPO法人地域水道支援センター理事。信州大学名誉教授、理学博士。2019年日本水大賞「国際貢献賞」、JICA「理事長賞」を受賞。主な著書に生でおいしい水道水ーナチュラルフィルターによる緩速ろ過技術』(築地書館)など)

中本氏発表資料より1

中本氏発表資料より2

「アフリカの村落給水プロジェクトから学んだこと“小さな水道”支援のこれからへ――現地で維持管理していくための仕組みづくりとは」高松章二
(NPO法人地域水道支援センター会員。日本テクノ(株)会長。 水環境分野の開発コンサルティング企業である同社入社後、 一貫して海外プロジェクトのコンサルティング業務に携わる。アフリカ諸国には100回以上渡航して25カ国で村落給水事業を 中心にプロジェクトの発掘、案件形成、調査、 実施促進に従事してきた)

高松氏発表資料より1

高松氏発表資料より2

<第2部 講師と参加者による質疑応答と意見交換>

登壇者:中本信忠、大塚健司、高松章二、三田克征(NPO法人地域水道支援センター常務理事。RCCM(上水道及び工業用水道)。三恭コンサルタント(株)取締役。勤続25年、水道事業全般に係る業務を行う。津山市小規模飲料水供給施設の計画・設計・施工管理を担当)

ファシリテーター:橋本淳司(NPO法人地域水道支援センター理事、水ジャーナリスト、武蔵野大学客員教授。主著に『水道民営化で水はどうなる』(岩波書店)など)

質疑応答と意見交換

主な意見交換内容は、

  • 中国で緩速ろ過/生物浄化法を導入した際の水質検査項目について
  • アジア地域における地下水汚染の実態について
  • アジア地域における汚染の実態と緩速ろ過/生物浄化法での対策について
  • フィジーで緩速ろ過/生物浄化法を導入した際のろ過砂の調達方法、タンクの耐久性について
  • アフリカで緩速ろ過/生物浄化法を導入した際の太陽光発電との組み合わせについて
  • 緩速ろ過/生物浄化法を運営するための現地の人々への教育活動について

でした。

 

短い時間でしたが、知見を共有する有意義な時間をもつことができました。お忙しい中、ご参加くださった皆様、また協力くださった皆様に心よりお礼を申し上げます。

 






TOPへ
MENU