緩速ろ過/生物浄化法セミナーオンライン講座2021 第2回目 「水道を小さくする、水道に市民が参加する」(2021年10月23日開催) 開催報告 | 特定非営利活動法人 地域水道支援センター | 特定非営利活動法人 地域水道支援センター

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緩速ろ過/生物浄化法セミナーオンライン講座2021 2回目 「水道を小さくする、水道に市民が参加する」(20211023日開催) 開催報告

開催概要はこちらをご覧ください。

 まず、お一人目の講師・岩手中部水道企業団を立ち上げ、将来予測、広域連携、水道施設の規模縮小に尽力された菊池明敏さん(元岩手中部水道企業団局長、現同企業団参与、総務省経営・財務マネジメント強化事業アドバイザー)に「水道の縮小とダウンサイジング」というテーマでお話しいただきました。

 現在日本では、人口の98%に水道が普及しましたが人口減少に伴い施設利用率が低下しており、既存水道施設の能力過剰分が全国平均4割にも達している現状とのこと。8年前、全国で初めて水道事業を広域統合して生まれた岩手中部水道事業団では、人口減少を地域別に分析し、高齢化の進む地域の施設更新費を削減。新規施設設置などを見直すことにより、統合前の4団体中2団体が赤字だったところ、統合により経営も黒字に転じさせ、6年間で89億円もの投資を削減したそうです。大きな団体になったことにより超小規模な集落へも水を供給できるようになったとのことでした。

また、そういった施設運営を支えるのは人材で、岩手中部企業団の職員は100%専従になっているそうで、有能な人材が成長しているといったお話もうかがえました。

そして二人目の講師・岩手県矢巾町にて市民参加のやはば水道サポーターを立ち上げた経験をもつ吉岡律司さん(岩手県矢巾町企画財政課長 兼 未来戦略室長、岩手県立大学客員准教授 博士(学術))からは、「 『知らせる』から『参加』そして『合意形成』へ:My水道やはばの取り組み」というテーマでお話いただきました。

 矢巾町では市民に水道事業の「お客さん」ではなく「オーナー」としての意識を持ってもらいたいと考え、今後の水道事業を住民参加で検討することにしたものの、これまでの「住民参加」の手法というのか形骸化しており、参加者は町の中の特定の人に固定化したり、人数も減少するという課題がありました。そこで、住民参加の手法に新たな手法を導入しフラットにニーズを収集するところからスタート、4年半かけて取り組んだ住民による「水道サポーター」がただの「参加者」から「当事者」へと意識が変わっていった様子を紹介いただきました。住民参加のワークショップや見学で、紹介する内容が住民にとって我が事であるように感じてもらえるよう、行政担当者の方も工夫したというエピソードも紹介していただき、水道に限らず住民参加行政の好例としてもお話をうかがうことができました。

 そして第2部では、ご参加いただいたみなさまと、ディカッションを行い、水道を小さくすることの意義、市民参加の意義を考える機会となりました。

ご参加いただいた皆様と講師のお二人に、心からお礼を申し上げます。

  

CWSCでは次回セミナーとして、20211210日に「持続可能なインフラ技術セミナー 生物の働きを活かす 緩速ろ過(生物浄化法)と傾斜土槽法」を開催予定です。詳細は決定次第、当HPフェイスブックでお知らせいたします。





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